[ホーム] [目次] [P3]

 

Apr 5 2006

Hoorn〜Medemblik〜Hoorn〜Volendam

 
      ホーフトトーレン        -IK-
 

朝7時半近くにホールンの港に太陽が昇ってきました。
朝食前に船の屋上サンデッキから、セーター姿のままで寒いのを少し我慢しながら、
カモメやオオバンが浮かぶ美しい朝の港風景を楽しみました。
オランダ画家の描く絵そのままに空の広い素晴らしい眺めが広がっていました。
「十七世紀にさかえた港町で、いまは町じゅうが美しく骨董寂びている。」(「街道をゆく オランダ紀行」)と
司馬遼太郎がたった1行でホールンの町を簡潔に表現しています。

その後レストランに入って朝食をとっている時、にわかに空が曇って来たと思ったら、何と雪が降って来ました。
天候が目まぐるしく変わる北海沿岸に来ていることを実感しましたが、これから10日間の私達を
観光中は一度も傘をささずにすむという稀な幸運が待ってくれていました。

トップの16世紀の要塞塔、ホーフトトーレンのスケッチは同じ3班のIKさんが旅行中に描かれたもので、
その作品の数々をこのHPに貸して下さることを快くご了解くださいました。
写真とは違った味わいを所々でご堪能いただけると思いますので、どうぞお楽しみに!

   


昔の計量所
ウェストフリース博物館
 
9時半過ぎに班毎に順番に下船し、徒歩で町の中心ローデ・スターン広場まで行きました。
中央にバダビア航路を開いたキャップテンの彫像が立つ広場には、VOC(連合東インド会社)に
出資した6都市の一つであったホールンの栄光と繁栄を伝える建物が残されていました。
左は商取引には欠かせない計量所だった建物で、現在はカフェになっています。
右のウェストフリース博物館には町とVOCの歴史を伝える展示品が公開されているそうです。
いずれも外観だけを見た後、少し自由散策をして、バスでホールン駅へ向かいました。
   

 
整備工場にて小さな機関車
SLの車窓風景SLの煙
メデンブリックの農場?ラットボート城
 

ホールン駅に着いて、カイザー髭?のおじさんとSLのレトロさがとてもマッチしている整備工場を見学した後、
メデンブリックまで19kmほど、季節限定の観光SL列車に乗りました。
(今朝の下船が30分程遅れたのは、SL運休日にあたってしまい、スタッフが運行交渉をしていたせい・・・?)

羊や牛・馬の牧場、水辺に集う白鳥やカモの群れ、列車が近付くと慌てて逃げるウサギ達などがいる
(茶色の大きなウサギで、ラビットではないと車内販売のおばさんは言っていましたが・・・?)
広くて豊かな田園風景の中を、SL列車はのんびりと煙を吐きながら1時間ほど走りました。
四角い木片に穴を開けただけの細工ながら、SLの音色のする笛を車内販売で買いました。
「何の木?」という質問には首をすくめられただけで返事がありませんでした。
道行く人たち、踏み切りで待つ車の中から、ほとんどの人が手を振って、
私達のうきうきした観光気分に応え、付き合ってくれました。

お昼過ぎにメデンブリックに到着して、スープとウィンナーシュニツェルのランチを食べました。
オランダには特別な郷土料理というのが少ないようで、この後も国籍不明料理が出ることが多かったです。
昼食後の少しのフリータイムは、カモや山羊、羊が同居している農場のような所を覗いたり、
堤防からアイセル湖を遠望したり、ラットボート城を眺めて過ごしました。

その後のスカーフェンの花畑見学は、農家の受け入れ人数の都合で時間差出発になったのですが、
最後出発になった私達3班は、30分程メデンブリックの町を散策、見つけたスーパーで買い物を
楽しむおまけがつきました。ビール、チーズ、チョコレートなど食料品を買い込む人が多かったようです。

 

   
スカーフェンの花畑
 

オランダでは今年は春の訪れがやや遅かったようで、チューリップはまだ葉っぱを出したばかりで、
スイセン、クロッカスの畑を見学しました。
国土(九州とほぼ同じ)の5.2%、11万haが園芸畑で、球根の8割は海外出荷用だそうです。
9400億円産業だそうですから大したものです。
海水を遮断する堤防を作り、干拓した石灰分の多い砂地が球根植物栽培に適しているのだそうです。

道路わきの花売店ではオランダ国旗と犬が番をしていました。案内してくださったロナウドさんの
お子さん達は子ヤギを遊び相手にしていました。学校はイースター休暇中のようでした。

 

 
牛肉のカルパッチョ 子羊のグリル 海老の串焼き
 

4時半過ぎ帰船し、一休みした6時半頃、船はフォーレンダムに向けて出港しました。
出港と同時に船長主催のカクテル・パーティや夕食会が行なわれました。
海クルーズよりは格段にカジュアルな河クルーズですが、
船長主催の歓送迎会の時はちょっとおしゃれを楽しんでみては、というのが旅行社の事前説明でした。
観光スタイルより少しドレスアップして集合、カクテル・グラスを片手に、船やツアー・スタッフの紹介を受けました。
ヤン・テンセン船長は、ちょっと無愛想にみえましたが、セレナーデ号一年の航海経験で
日本人観光客にも慣れたそうで、要望に応じて、いろんなグループのカメラにおさまっていました。
その時、我が3班には賑やかで楽しいキャラの持主がいることが判明。
自己紹介に立った途端、野次を飛ばされたのは3班担当のY添乗員さんだけだったようです。

夕食はアジア風肉団子のコンソメスープ、レモンシャーベットと写真のお料理が出されました。
(メイン料理の子羊と海老はどちらか一つを選択。)デザートはオランダ風りんごケーキでした。
予想していたより本格的なお料理が出され、ちょっと旅の楽しみが増した夜でした。
料理長は堂々とした体格の持主のハンガリー人のカイさんでした。

 

[目次] [P3]