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Apr 8 2006
Zutphen〜Kroller Muller Museum〜Antwerpen
 
       ズッペン                  -IK-
   

朝食後、ズッペンの町を散歩しました。
13世紀後半に結成され、最盛期には200以上の都市が加盟していたといわれるハンザ同盟都市の一つである
ズッペンは、豊かな商人の街であった昔の面影をたっぷり残している街でした。
塩、魚、穀物、ビール、ワインなどの貿易船が北海、バルト海からスペインまでも往来していたそうです。

朝市には色とりどりのチューリップが目を引く花屋、八百屋、魚屋など主に生製品が並んでいました。
両手を上げてカメラにポーズをとっているのは、大きなオランダ・チーズを並べたお店のおにいさんでしょうか。
どこの町へ行っても、オランダの住宅は道路に面して白いレースで飾った大きな窓があり、
(小さな前庭を持つ家もありますが、塀のある家は全く見かけませんでした。)
道行く人の視線など気にしないかのように、そこを居間として使っていることが多いようでした。
日本を越える人口密度の国でありながら、町に広さやゆとりを感じるのは、
国土がほとんど平地であるということと共に、このような住宅構造にも一因があるように思われました。

 

   
クレラー・ミュラー美術館


‘k-piece’         suvero
‘the cry’     i.noguchi
‘animal head’      h.moore ‘jardin d’email’    dubuffet
   

ズッペンからバスで1時間足らずの所にあるクレラー・ミュラー美術館へ行きました。
5500ヘクタールもあるデ・ホーヘ・フェルウェ国立公園の中にあるこの美術館には、大富豪の貿易商、
アントン・クレラーの夫人、ヘレーネ・ミュラーによって収集された膨大なコレクションが収蔵されています。
貿易会社が世界不況で経営困難になった折、美術館建設を条件にこの広大な土地と美術品が
国へ譲渡されたのだそうです。美術館は1938年に開館、初代館長を務めた夫人は翌年に亡くなったそうです。

私達3班は先ず、いろんな彫刻やオブジェが点在する庭を見学して回りました。
美術館入口の‘k-piece’はクレラーのKのことでしょうか。デュブッフェのクジラは人が入ったり、
乗ったりして遊べる大きな遊具ともなっているようです。

「現在、美術館はリニューアル中で、どの程度の作品がみられるかは、直前まで問い合わせても
分かりませんでした。」と往きのバスの中で添乗員Yさんから聞いて、かなり心配していたのですが、
先に美術館内を見学した他班から「ゴッホは全部見られた。」という情報を得て、
ほっとして館内見学に移りました。何しろ、ここは‘ゴッホの森’という別称を持つ位ですから、
ゴッホが観られなくてはお話になりません。
今日はリニューアル・プレ・オープン日という幸運に遭遇したようです。

   

 
 

‘ゴッホの森’へようこそ!ごゆっくりお過しくださいね。

 

 


‘Guitar&glass’ Braque


‘Composition’ Mondriaan
‘Le chahut’  Seurat ‘Le cyclope’ Redon
 
無論、ゴッホだけではなく、19・20世紀絵画を中心に多くの作家のコレクションが観られました。
外光を取り入れたガラス貼りの部屋からは森が見えて、ほっと目を休ませてくれる空間が広がっていました。
林の中に咲いていたブルーの花は‘森の鈴’ということでしたが、本当の名前かどうかは分かりません。
レンタル自転車に乗って公園を走ったり、絵を眺めて、1日中過ごせたら、もっと楽しいだろうなと思いました。
看板によると、鹿には注意ということでしたけれど。
 

 
   

12時半頃ズッペンに戻り、船の中で昼食をとった後は、アントワープに向けてクルージングの午後でした。

展望ラウンジで、同行のTSさんが持っていらした詳細な地図や衛星地図を広げて、
航路を確認したり、過ぎていく風景を眺めて過ごしました。
水位が上がって、動物達の居場所が少なくなっているようでしたが、双眼鏡で眺めていると、
高い木の中の巣にタカが見られたり、減ってしまった草地で牛や羊が草を食んでいたり、
単調ではあっても、日本では出会えない景色が楽しくて、見飽きない風景でした。
第2次世界大戦の激戦地、映画「遠すぎた橋」の舞台となったアーネムの町の近くも通過しました。

船はアイセル川からパネルデンス運河を通り、大きく迂回してワール川へと入っていきました。

   
 
さくらんぼのお菓子とおせんべい、日本茶を3時のおやつにいただきました。
ピーターさんのエレクトーン演奏つきのなごやかなお茶の時間でした。
 

 
 
夕方には班毎に操舵室の見学をさせていただきました。
いろんな計器、画像が並び、コンピューターでの制御部分が多そうですが、時々は双眼鏡で前方を確認している
副船長のロビーさんでした。制服姿が格好いいですね。
 

 
 
夕食は川カマスのグリル バルサミコソース(本日はイタリアン?)かビーフステーキがメインでした。
私はこの旅では、ほとんどお魚の方を選びました。何といっても今回は河旅・・・・!
でも、お肉の方が美味しそうに見えた日があったことも事実です。

部屋に戻ると美しい夕焼けが見えました。これが夜8時半の景色なんですよ。
夏至まではもっともっと日が伸びて、10時ごろまで明るいヨーロッパの国々です。
 

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