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太陽がいっぱい シチリア紀行
 
 「シチリアなしのイタリアというものは、われわれの心中に何らの表象をも作らない。
シチリアにこそすべてに対する鍵があるのだ。」(「イタリア紀行」:相良守峯訳)と
ゲーテが1787年に訪れて書き残したシチリアへの旅行社の企画旅行に参加して来ました。

 標高3323メートル、周囲165キロの裾野(全島の5分の1)を広げる活火山エトナ山がそびえるシチリアは、
地中海最大の(四国より一回り大きい位)自然豊かな島です。
また地中海の十字路と呼ばれ、紀元前8世紀にフェニキア人に支配されて以来、
ギリシャ、ローマ、ビザンチン、イスラム、ノルマン、フランス、スペインと、
1860年にイタリアに併合されるまでに幾多の民族が興亡を繰り返した歴史の島でもあります。

 僅か1週間の滞在でしたが、触れてきたその一端をスナップ写真で綴ってみたいと思います。

Feb 6 2004
Palermo
++グランド・エ・デッレ・パルメ++ ++マッシモ劇場++
ワーグナーが滞在したり、1957年には
マフィアの大ボスが集結、
ピッツァ・コネクションという会合を開いて
ヘロインのルートを成立させたという
謂れ多いホテルに泊まりました。

19世紀末に建てられた劇場。
‘ゴッドファーザーV’の最後の場面に
出てくる階段です。
シチリアといえばマフィアが連想されますが、
観光客の目に届くような方々ではなさそうです。


++パラティーナ礼拝堂++ ++サン・ジョヴァンニ・デリ・エレミティ教会++
12世紀のノルマン宮殿(現在は州議会が使用)の
2階にある礼拝堂。ビザンチンのモザイク、アラブの
木製鍾乳彫りの天井、幾何学模様の大理石の床など
絢爛たる美しさです。


左の礼拝堂と同じくルッジェーロ2世によって
創建された5つの赤いアラビア風クーポラを持つ教会。
教会としての役割を終え、内部はがらんとしていますが、
回廊のある美しい庭があります。

++カテドラル++ ++プレト-リア広場++
シチリア・ノルマン様式で1184年に建立された後、
ゴシック、ビザンチン、イスラムなど様々な様式で
増改築が繰り返された大教会。
繁栄の時代を物語っているようです。


ゲーテは「よい趣味じゃない」と言い、
市民からはヴェルゴーニャ(恥)広場と呼ばれている
パレルモ最古の広場です。
彫刻が着衣でないところが‘恥’の所以だそうです。


++修道院の回廊++ ++モンレアーレ大聖堂後陣++
シチリア郊外、モンレアーレにある大聖堂に隣接する
旧ベネディクト派修道院の見事な回廊。
柱頭彫刻、象嵌細工、モザイクをあしらった列柱など
芸術家の業の結集です。


1176年にノルマン王グリエルモ2世によって建てられ、
美しいモザイクで飾られた内陣を持つ大聖堂は、
後陣も趣のある外観を見せていました。



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