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西宮           May29 2007
 
  西宮神社表大門と大鳥居 表大門
 
参道 本殿とカメ
 
西宮へは何度か来ているのですが、港の方へは行ったことがないと言うと、
「そりゃいかん。」ということで、帰京の日の朝、義兄と二人で自転車散歩に出掛けることになりました。

最初に寄ったのは西宮神社です。
全国に約3500社あるえびす神社の総本社である西宮神社の創建年代は明らかではありませんが、
平安時代の古文書に「えびす」の名が出て来るそうです。
 室町時代に入ると七福神信仰によってえびす様が福の神の代表となり、
文楽や謡曲、狂言などの芸能を通して神徳が全国的に広まって行きました。
国の重要無形文化財に指定されている大阪文楽や淡路島人形浄瑠璃は
西宮神社の「えびす舞」を源流とすると言われています。
江戸時代に四代将軍徳川家綱が社殿を造営、幕府から神像札の版権を得た西宮神社の社勢が
盛大になっていったことと、上方の商業経済の発達とが結びついて、
福の神えびす様が商売繁盛の神として厚い信仰を得ていったようです。

 国宝・三連春日造の本殿は昭和20年に戦火にあった後、昭和36年に元通りに復元されたそうです。
表大門(赤門)は豊臣秀頼が慶長9年(1604)に寄進したと言われる国の重要文化財です。
赤門前の大鳥居は阪神淡路大震災で倒壊しましたが、昨年暮れ、個人寄贈によって、
柱にピアノ線を通した揺れに強い構造で12年振りに復興したそうです。

1月9日から3日間行われる十日えびす大祭りは100万人を超す参拝者で賑わうそうですが、
3着までにゴールした人がその年の福男となるという「十日戎開門神事福男選び」の10日には、
未明から表大門の前に1000人以上が集合し、午前6時の開門とともに
230メートル先の本殿を目指して駆け出して走り参りをするそうです。

初夏の週日の朝は訪れる人も少なく、きれいに掃き清められた参道が清々しい印象でした。
本殿前の石畳の上をカメが(黒い小さなかたまり)ゆっくりと歩いて参拝に向かっていました。
池に甲羅干し中のカメがたくさんいましたが、殊勝な参拝ガメにはご利益はあるのでしょうか。



  
品川大錬塀 
阪神高速湾岸線    住吉神社
 
室町時代の創建と伝えられる西宮神社の東と南側の総延長247mの大練塀は、
阪神淡路大震災で被災、現在は元通りに復元された国の重要有形文化財の築地塀です。

神社前の国道43号線の歩道橋を渡る時、震災の時崩落した高速道路、阪神高速湾岸線の
再建された姿を見ることが出来ました。

神社の南一帯は大手の酒造会社が軒を連ね、西宮が「灘の生一本」の主要生産地であることが分かります。 
武庫川から生田川までの沿海約24kmを灘と総称し、今津、西宮、魚崎、御影、西が灘五郷と呼ばれますが、
灘の清酒の4割は西宮で生産されているそうです。
六甲山系からの水が夙川の伏流水となり、西宮神社近くの一帯で湧出、
その滞水層の水、「宮水」が銘酒を生み出していると言われます。

西宮神社境外末社、海運と漁業守護の住吉神社を通り過ぎるとまもなく西宮港です。



 
   
芦屋方面の六甲山系  西宮砲台
 
港へ出て、西宮市街と埋立地を結ぶ御前浜橋を渡りました。
阪神淡路大震災で被害を受けた西宮大橋に代わり、生活道路として造られた仮設の橋が、
西宮大橋の復旧後、周辺住民の要望により整備されたのが御前浜橋で、
長さ約400m、幅約5m、橋の中央部が可動式で開閉できるので‘跳ね橋’という通称を持つ
1999年6月に開通した歩行者と自転車専用橋です。

御前浜橋から、六甲山系の山並みや芦屋方面の住宅地を一望することができました。
右側写真の御前浜の高層住宅前の白い筒状の構造物は、
幕末にアメリカ・ロシアなどの軍艦の来航を見た幕府が大阪湾防備のために、
幕府軍艦奉行勝海舟の勧めで慶応2年(1866)に建造した西宮砲台です。
高さ12m、周囲53mの砲台は使われることはありませんでしたが、国の重要文化財に指定されています。


新西宮ヨットハーバー 

SUNTORYマーメイド号
ミニ・マーメイド号
 
新西宮ヨットハーバーは700隻を係留できる日本有数のヨットハーバーです。
関西ヨットクラブ・ハウスには、日本人で初めてヨットで単独太平洋横断をなしとげた
堀江謙一氏のミニ・マーメイド号が展示されていました。
開館前だったのか中には入れず、建物のガラス越しに小さいヨットを撮影して来ましたが、
ミニマーメイド号は2.8mで、6m弱のマーメイド号の半分サイズに作られているようです。

2004年10月に新西宮ヨットハーバーを出航、8か月かけて単独無寄港による世界一周(東回り)に
挑戦した時に使用したSUNTORY マーメイド号もクラブ・ハウス前に野外展示されていました。
東西両方向周りで世界一周ヨット航海をしたのは世界で2人目ということです。

「西宮はいい所やろ?またおいで。」という義兄との2時間足らずの西宮発見自転車散歩でした。
一見した所、震災の爪跡はほとんど見られないのですが、新しい建造物群が
復興からの年月の浅さを伝えているようでした。

P.S.義兄上様
また西宮を案内して下さいね!宮水製品を飲み過ぎないようご自愛ください。


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