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午後のサマルカンド旧市街観光は、ティムール(=鉄)やその一族が眠るグリ・アミール廟(=支配者の墓)から始まりました。 トルコ系カラハン朝の支配下にあったサマルカンドは、チンギス・ハンの攻撃によって1220年に壊滅させられた後、 ティムール(1336-1405)が帝国の首都として再建して、かつての栄光を蘇えらせました。 生涯を征服戦争に費やし、中国辺境からアナトリア、南ロシアからインド北部に至る中央アジア空前の帝国を築き上げたティムールは 一方で、遠征先から優秀な学者や建築家、職人達を連れ帰り、サマルカンドやシャフリサブスに美しい建造物を残すことになりました。 評価が否定的であったソ連時代を経て、ウズベキスタン独立後に再び、ティムールは国家を象徴する英雄として復権を果たし、 グリ・アミール廟の入口には肖像画や征服地図が展示されていました。 廟内は1996年に金3kgを使って修復され、2重殻構造のドーム内側の天蓋や壁面一面がまばゆいばかりの輝きを見せていました。 壁面の一部に(右写真)施された紙工芸装飾の立体感に高い技術が感じられましたが、ザファールさんに教えられて撮った写真を拡大すると、 下地に使われた新聞紙の文字が残る金箔の塗り残し?箇所も見つかりました。
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