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18 Mar.2012
 Abu Dhabi~Tehran


グランド・ミレニアム・アル・ワハダ

ホテルの部屋からの眺め

アブダビ国際空港に早朝5時過ぎに到着した後、午後2時のテヘラン行きのフライトまでの時間は、
ホテルでの休憩と簡単なアブダビ観光が手配されていて、
私達と同じW航空の東イラン行きのグループと一緒にホテル・グランド・ミレニアム・アル・ワハダに
6時半過ぎにチェックインし、10時半の出発まで休憩とビュッフェ・レストランで過ごしました。




「今回のツアーでは最高ランクです」というホテルで少し休憩した後、食事前にホテルの外へ出てみると、
気温27℃、砂塵まじりの強い風が吹いていて、覚悟していた真夏という程の暑さではなさそうでした。



10時半にホテルを出発して、バスで車窓観光をしながら、アブダビ国際空港へ向かいました。

7つの首長国が集まって1971年に建国されたアラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビは
国土面積の85%を占めるUAEの中心都市ですが、
都市としての発展では一歩先を行くドバイに追いつけ、追い越せというのが現況で、
街は建築ラッシュの様相を呈していました。
アブダビの語源はドゥーダビ(=鹿を飼う者)とも言われますが、現在の人口190万人の8割は
インド、バングラディッシュ、パキスタン、スリランカなど南アジアの出稼ぎの人で占められているそうです。

車窓には砂漠の街とは思えない風景が続いていましたが、写真が黄色っぽいのは、
イラクやサウジアラビアからの砂塵のせいではなく、バスの窓ガラスの色によるもので悪しからず・・・です。



1泊30万円以上するという7つ星ホテル「エミレーツ・パレス」前を通過した時、
出来れば写真ストップをということでしたが、まわりは工事中だらけで、停車できる余地はありませんでした。
写真撮影禁止という王宮を車窓から見た後、ふたつの「世界一」の見学に行きました。



キャピタル・ゲート

シェイク・ザイード・グランド・モスク

アブダビ国際展示場の中にある高さ160m、35階建てのオフィス&ホテル・ビルであるキャピタル・ゲートは、
ピサの斜塔の4倍以上、18度の傾斜角を持ち、「最も傾いている超高層ビル」として
2010年にギネス・レコードの「世界一」に認定されています。
イギリスの設計事務所RMJM社が「風と水」をイメージして設計、
12階まで垂直に積み上げた後、各層を0.3~1.4mずつ水平にずらして建築していく様子を
ナショナル・ジオグラフィックのTVドキュメンタリー番組でたまたま見ましたが、
建設工事の途中で、スルタンが屋上ヘリポートの設置を要請、設計の見直しを迫られる場面が印象に残りました。

UAE建国の父と称される前大統領名を付けたシェイク・ザイード・ビン・スルタン・アル・ナヒヤーン・モスク、
略称シェイク・ザイード・グランド・モスクは、2007年に完成した世界で4番目に大きいモスクですが、
建築に使用した大理石、絨毯やシャンデリアの宝石など内部装飾の豪華さが「世界一」なのだそうです。



キャピタル・ゲートとシェイク・ザイード・グランド・モスクはバスを降りて、写真タイムが取られました。
「世界一」好きのアブダビには、現在、「世界一の遊園地」が建設されているそうです。
リゾート観光地として発展途上のアブダビは、ドバイ以上に見どころのない新興都市という印象が残りました。



12時過ぎにアブダビ国際空港へ戻り、エティハド航空ボーイング777-300機で、
定刻の2時少し前にテヘランへ向けて飛び立ちました。



上空から見ると、ひたすら静かなペルシア湾や峻厳なザグロス山脈を越えて、
所要時間2時間20分、時差を30分差し引いて、3時50分にテヘランのイマーム・ホメイニ空港に到着、
スルーガイドのムハンマドさんに迎えられて、西イランの旅が始まりました。



宿泊するラレ国際ホテルに5時40分に到着すると、
ロビーではイランの新年「ノウルーズ」の飾り物が出迎えてくれました。

2009年にユネスコの無形文化遺産に登録されたノウルーズは、
2010年2月には国連総会で国際デーとして正式に承認され、
今年も「ノウルーズの儀式の中に含まれる平和へのメッセージは特別な重要性を持ち、
我々がより良い将来へ向けて努力すべきだという事実を思い起こさせる」と
国連のバン事務総長が祝辞を送ったと報じられています。

Now(=新しい)Ruz(=日)の春分の日から始まる新年をイラン人はコーラン、鏡、金魚と共に、
ハフトスィン(Haft Sin)と呼ばれる頭文字がSで始まる7品を飾って祝います。
1.酢(Serke) 2.香辛料(Somaag) 3.麦菓子(Samanuu) 4.コイン(Sekke) 5.リンゴ(Siib)
6.麦の芽(Sabzii) 7.にんにく(Shiir)が代表的な物ですが、
ヒヤシンス(Sonbol)やヘビノボラズの実(Senjed)を飾ることもあるようです。


部屋の窓からは夕日を受けたアルボルス山脈とテヘランの街の懐かしい景色が見られました。

   

7時からのホテル内レストランでの夕食時にツアー参加者24名の自己紹介タイムが持たれましたが、
夫婦2組、1人参加の男性1名、女性19名(旅仲間同士が3~4組?)が今回の構成メンバーで、
旅のつわものが揃っているようでした。
今回でご一緒するのが3回目となった最高齢86歳のKさんは、
先月は南極、来月は三峡下り・・・とますますお元気そのもの、脱帽という言葉しか見つかりませんでした。

夕食後はレセプションで2000円だけ両替した後、キャビア・ショップを覗きましたが、
価格の高騰ぶりに躊躇してしまい、ついに買わず仕舞いとなってしまいました。

翌朝は今回のツアー最初の難関が待ち受けていて、バッゲージアウトが2時半・・・ということは
1時半起きを余儀なくされる訳で、眠れたら儲けもの・・・と覚悟を決めて、9時過ぎにベッドに入りました。


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