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2013・8・25
東京〜八戸〜種差海岸〜十和田市現代美術館〜十和田湖   
                           

夏休みの終わりに親夫婦、長女一家(夫婦、小2・小5)、次女の3代、7人で青森家族旅行に出掛けました。
8月25日(日)午前7時32分発の「はやて32号」で雨模様の東京を出発しましたが、
福島に入った頃から青空が広がり始め、初秋の景色が車窓に見られるようになりました。


盛岡で秋田へ向かう「こまち」を解結(10時8分)


八戸駅に到着(10時40分)



駅前でレンタカーの手続きをして、7〜8人乗りミニバン型乗用車「NOAH」で種差海岸方面を目指しました。


「八戸市鳥瞰図」  −吉田初三郎−

大正から昭和初期に日本に訪れた観光ブームの中で、鳥瞰図絵師として活躍した京都出身の吉田初三郎(1884−1955)は
昭和11年に種差海岸に建てた「潮観荘」を制作と生活の拠点とし、
平行透視図法という鳥瞰図手法ではなく、大胆にデフォルメした独自の作風「初三郎式鳥瞰図」によって人気を博し、
「大正広重」と呼ばれたそうです。
今回は八戸市の蕪島、葦毛崎展望台、種差海岸、鮫角灯台、鮫駅に立ち寄り、又は遠望するというコースを車で回りました。


蕪島(かぶしま)

鮫角(さめかど)灯台

ウミネコ繁殖地として国の天然記念物指定を受ける蕪島、日本の灯台50選のひとつ鮫角灯台などを見渡す水産科学館「マリエント」で、
八戸港に水揚げされる魚や漁法などの展示物を見た後、館内レストランで昼食を取りました。


  
イカ刺し定食                    特上えびす浜膳

イカの水揚げ量日本一の八戸なら「イカでしょ」とイカ刺し定食、キンキ唐揚げと生うにの特上膳(1500円の安さ!)に分かれましたが、
いずれにも八戸せんべい汁がついて、郷土色たっぷりのお得な海の幸ランチでした。



葦毛崎展望台の景観

 

東日本大震災により被災した三陸の復興に貢献するために青森県八戸市から宮城県気仙沼市にいたる約220kmほどが、
今年5月に「三陸復興国立公園」と定められました。
自然の脅威や厳しさと共存していくために、多くの知恵・技術・文化が育まれてきた地域に、
 自然に配慮し、自然の回復力を活かし、自然とともに歩む復興を進めることによって、予想される地震や津波に備えること、
それによって豊かな自然と地域のくらしを未来に引き継ぐことを目的とした国立公園策定で、
復興状況を見ながら、将来的にはふさわしい名称が検討されるそうです。

また三陸地域を南北につないで交流を深め、災害時の避難路としても活用するために、
八戸市から福島県相馬市に至る全長700kmの遊歩道「みちのく潮風トレイル」の整備(2015年完成予定)が
環境省の「グリーン復興プロジェクト」の一環として計画されていて、
今秋にはその一部、八戸市から久慈市までの約90kmが開通することになっています。



葦毛崎展望台

海食崖

下北半島から続く砂浜が海岸段丘へと変わる接点となっている蕪島から種差に至る海岸線には、
砂浜や海食による奇岩が点在する独特の景観が見られ、国名勝や県立自然公園の指定を受けていましたが、
今春の国立公園指定は地元の80年越しの念願だったと言われています。


    
ヒロハクサフジ                 センニンソウ                     ハマナシ

     

葦毛崎展望台を出て、うみねこライン(県道1号線)を南東に少し下った所に、
昭和25年に東山魁夷の代表作「道」が生れた道があり、
「ひとすじの道が、私の心に在った。夏の早朝の、野の道である。・・・正面の丘に灯台の見える牧場のスケッチ。
その柵や、牧場の馬や、灯台をとり去って、道だけを描いてみたら―と思いついた時から、ひとすじの道の姿が心から離れなくなった。
道だけの構図で描けるものかと不安であった。しかし、道の他に何も描き入れたくなかった。」
という東山魁夷の文章が添えられた標柱が道路脇に立っていました。

大町桂月、柳田国男、宮沢賢治、草野心平、井伏鱒二、佐藤春夫・・・と種差を訪れ、愛した文人、芸術家は枚挙にいとまなく、
司馬遼太郎は「どこかの天体から人がきて地球の美しさを教えてやらねばならないはめになったとき、
一番にこの種差海岸に案内してやろうとおもったりした。」(「街道をゆく 陸奥のみち」)と書き残しています。




「道」を見ていると、ぽつりぽつりと雨が降って来ましたので、絵に近いアングルを狙う余裕もなく、取り急ぎ一枚だけ写真を撮って、
駐車場所まで小走りで戻りました。



種差海岸の代表的景観といわれる「種差天然芝生地」まで行って、車の中で雨をやり過ごした後、
青空が見え始めた頃に芝地に下りて、散策を楽しみました。
自然の芝原が海の水際まで続いている珍しい景観は、放牧した馬が草を食べ、踏み付けたことによって生まれたものだそうです。



再び来た道を戻って、寄ろうとした「タイヘイ牧場」は一般開放していない様子でしたし、
次に寄った鮫角灯台は「雷のため閉鎖」となっていましたので、
単線の風情に旅情を誘われる鮫(さめ)駅見学で八戸観光を終えて、
「みちのく潮風トレイル」をゆっくりとトレッキングしてみたいという思いを残しながら、2時半に十和田市へ向かいました。



十和田市現代美術館  チェ・ジョンファ「フラワー・ホース」

2008年に開館した十和田市現代美術館に3時45分頃に到着しました。
十和田市を個性あふれる「アートの街」「感動創造都市」として国内外の多くの人々に印象づけることを目指し、
官庁街通りという屋外空間を舞台に、通り全体をひとつの美術館に見立て、
美術館、アート広場、アートファニチャーを配した一画は類を見ないアート空間となっていました。
                                     (参考:十和田市現代美術館HP)




美術館内に入ると、先ず圧倒されるのが、ロン・ミュエクの「スタンディング・ウーマン」という4mの彫刻作品でした。
館内は撮影禁止でしたので草間彌生、オノ・ヨーコなど国内外のアーティストの作品37点を写真でご紹介することは出来ませんが、
いきなり度肝を抜かれた「スタンディング・ウーマン」(シリコン製ミクスドメディア)をパンフレットから採らせていただきました。
面白かったり、難解だったり、子供も大人もアート体験を楽しんだひと時でした。



美術館設計: 西沢立衛

奈良美智の女の子のポーズで写真を撮った後、「あそこへ行こう!」と指をさしている方向にアート広場がありましたが、
その前にカフェで休憩、アフォガードやジュースで一息入れました。



アフォガード(アイスクリーム+エスプレッソ)

    

    

開館5周年の企画展として「古くから人々の心を捉える美しさと、多様な生命を育む力強さを兼ね備えた、永遠のテーマ」である
花を主題とした「flowers」展も開催されていました。
こちらは写真撮影が許可されていましたので、奈良美智の「小頭花瓶」「花頭花瓶」や草間彌生「真夜中に咲く花」、
藤森八十郎+西川祥子の作品などを写して来ました。


リンゴの風景画: ポール・モリソン「オクリア」 椿 昇「アッタ」(ハキリアリ) マイダー・ロペス「12・レヴェル・ベンチ」

「愛はとこしえ、十和田でうたう」−草間彌生−という夢あふれる作品などが置かれたアート広場は、
道路沿いに2010年にオープンした広場で、自由に触れて、遊べるエリアとなっています。(太っ腹な十和田市!)


  
子供アングル写真 −A・I−


インゲス・イデー「ゴースト」

エルヴィン・ヴルム「ファット・ハウス&ファット・カー」

アート広場でしばらく遊んだ後、5時過ぎに十和田市を出発して、夕暮れの田園風景を見ながら、
この日の宿泊地、十和田湖を目指しました。



6時過ぎに十和田湖が見え始め、6時半に「十和田ホテル」に到着しました。
十和田湖は青森と秋田の県境になっている湖で、十和田ホテルは秋田県側に位置するホテルでした。


    

    

今回の旅はJ社の「サンキューチョイス東北」というプランから組み立てたもので、この夜はホテルでの夕食となっていて、
一行7名の席は大広間に用意され、日本旅館のようなサービスを受けました。
「御献立 先付:鰊と茄子の旨煮 オードブル:鴨の燻製 グレープフルーツと蟹のプチサラダ 鯖のエスカベッシュ
造り:三種盛り 焼物:鱸けんちん焼き 台物:帆立貝の陶板焼き 洋皿:国産牛ローストビーフ
冷鉢:冬瓜の鶏そぼろあんかけ 御食事:御飯(あきたこまち) 赤出汁 香の物 デザート:杏仁豆腐」
久々の旅館食は目もお腹もいっぱい・・・という所でした。



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