[ホーム] [目次][P2]

 
アシュラの祭りと古代ペルシア探訪の旅 
 
 

2008年秋に出発の半月前になってイラン航空・成田線撤退問題で消滅してしまったイランへの旅を
2年振りに実現することができました。

とは言え、今回も出発間近かになって夫が帯状疱疹を発病し、又もや諦めかと思ったのですが、
「2人共キャンセルすることはないでしょう」という結論に達し、
2度のトラブルでご縁をなくすには何とも惜しいと思われる国へ、
海外ツアー初の一人参加で出掛けることに決めました。

夫への同情や行く前の発病で良かったという意見が圧倒的に多い中、
一人参加の勇気をほめたり、一人旅素敵、癖になるかも?という少数意見をお伴にして、
出発の日を迎えました。

石油や核開発をめぐる国際的な政治問題、麻薬、地震・・・とマイナス・イメージの報道が目立つイランですが、
ペルシアと言い替えるとシルクロード、正倉院、絨毯といった違う様相も浮かんで来るのではないでしょうか。
ペルシアと呼ばれた時代を中心に8000年を超える長い時空への旅、
そして現代イランの見聞の旅を是非ご一緒に!



9 Dec.2010
 Narita〜Beijing〜Tehran


自宅を11時前に出て、池尻大橋まで無念、諦め、羨ましさ、心配・・・と複雑な表情の夫に送ってもらい、
上野から京成スカイライナーで成田へ向かいました。
上野駅で乗車券を一枚解約した後、ホームに下りると、新旧スカイライナーが並んで止まっていました。
12時に上野を出発、40分ほどで成田に到着し、15分短縮された7月開通の新型スカイライナーの
スピードを実感しましたが、日暮里から10人ほど乗ってきたもののガラガラの車内が
一人旅の心細さを後押ししてくれるようでした。



W航空受付カウンターで、春のブルガリア・ツアーと同じN添乗員さんにご挨拶、チケットなどを受け取り、
関西空港から早く到着していたツアーメイトと共に1時のチェックイン開始と同時に
3−4−3席の3列席の内側と窓側席を確保し、2人の間の席が埋まらないことを願いました。
その後、予定していた通り、出発までの2時間の時間潰しのために遅目のランチをとりながら、
家族、友人たちと携帯で出発メールを交わしていると程良い出国時間になりました。




遅れることが多いと聞いているイラン航空に不安を持ちながら搭乗ゲートに着くと
定刻の3時半に出発の表示があり、旅の幸先の良さを感じさせてくれました。
尾翼に伝説の動物ホマのロゴマークを描いたボーイング747−SP機は老朽化が心配されましたが、
軍仕込みのパイロットの腕の良さには定評があるようです。
(1ヶ月後の1月10日にイラン航空国内線の727機が墜落した様子です・・・。)



2年前の撤退問題の後、ソウル経由便を廃止し、週1度の北京経由便だけ残したイラン航空のエコノミー席は、
前方にイラン人、中央部に日本人がぱらぱらと座り、後方は無人という機内でしたので、
自由に席を替えて、外の景色を眺めたりしていましたが、雲間に雪をかぶる山脈が見えた後、
海域に入ってからは見るべきものはほとんどなくなってしまいました。



離陸1時間ほどして最初の食事が配られ、チェロウというイランのインディカ米のごはん初体験となりました。
黄色く見えるのはサフラン・ライスで、鶏と根菜の煮物が主菜でした。
イランは厳しい禁酒国で、外国人といえど機内からアルコール類はご法度となります。



4時間足らずで日が暮れた北京空港に到着し、10数人の作業員が乗り込んで来て清掃をしたり、
クルーが交代する様子をぼんやり眺めながら、2時間ほどの機内待機をやり過ごしていると、
北京からの乗客で見る間に座席が埋まり始め、最後にはパラリンピック・アジア大会の選手団でほぼ満席となり、
私達の間の席が空いたままであったのが幸運という状況になりました。

北京離陸後、8時間ほどのフライトは、2回目の機内食や軽食をつまんだり、本を読んだり、眠ったり、
旅の楽しみ前の通過儀式ともいえる忍耐タイムを過ごしました。
個人モニターもない古いボーイング747機でしたが、座席の前後間隔が少し広めである点は良かったと思います。



夜中でも出迎えの人々で賑わうテヘランのイマーム・ホメイニ空港に、
ほぼ定刻通りの現地時間の午前零時に到着し、1時間ほどで入国手続き、荷物の受け取りを終え、
エステグラル・ホテルに2時前にチェックインし、2時15分頃には部屋に落ち着きましたが、
N添乗員さんが届けて下さった会社のシールをバス栓の代用にして入浴し、
就寝したのは3時過ぎ、日本時間で朝の9時前ということになりました。
とりあえず携帯で無事到着のSMS(イランでは70文字までのショートメールが1通100円で利用できました。)を
自宅へ送って、長い一日が終わりました。


目次][P2]