ブダペスト観光のハイライト、ブダ地区の王宮の丘から観光が始まりました。
聖処女マリア教会という正式名を持つマーチャーシュ教会は、13世紀にベーラ4世によってゴシック建築で
建立された後、15世紀にルネッサンス王と呼ばれるマーチャーシュ王によって尖塔が増築され、
16〜17世紀にかけてのオスマン・トルコの支配下の時代にはモスクとして使用、18世紀にバロック様式に
修復されたものを19世紀にゴシック様式に戻したという幾層もの歴史を重ねた教会です。
歴代王の戴冠式を行ない戴冠教会とも呼ばれる教会は、ジョルナイ工房のタイル屋根が特徴的でした。
マーチャーシュ教会前の広場ではハンガリー初代王イシュトヴァーンの威風堂々とした騎馬像が人々を見下ろし、
周りを白い石灰石で作った7個のとんがり帽子でつなぐ回廊が囲み、王宮の丘に独特の雰囲気を添えています。
かっては漁夫のギルドがこの防御壁を守っていたこと、魚の市が立ったことに因んで漁夫の砦とよばれる
20世紀初頭の建築物からのパノラマは、まさに「ドナウの女王」の風格でした。
因みにくさり橋を守る4頭のライオンは舌を彫るのを忘れられたそうで、よく見ると、少し間抜けな顔をしています。
王宮劇場、戦争の弾痕跡を残したままの国防省、大統領官邸などを見ながら、王宮の丘を歩きました。
王宮の飾り門で大きな羽を拡げているのは、建国の父アールパードを生んだと言われる伝説の鳥トゥルルです。
ヴォルガ河とウラル山脈の間に住む騎馬民族マジャール族など7部族が、アールパードに率いられて、
ハンガリーに定着したのは896年のことで、7個のとんがり屋根は7部族に由来するようです。
ベーラ王の13世紀に建設されて以来、歴史に翻弄された続けた王宮は、
現代に至っても2度の大戦で大打撃を受け、今の姿に修復されたのは1950年代のことだそうです。
王宮の一画にある国立図書館のエレベーターで広大な王宮の丘を下り、バスでペスト地区へ向いました。 |