トゥールーズは、パリ、マルセイユ、リヨンに次ぐフランス4番目の都市で、人口45万人を擁するそうです。
フランス最古の大学がある文化都市であると同時に、コンコルドやエアバスなど航空機や宇宙産業でも有名です。
98年のサッカー・ワールド杯の日本とアルゼンチン戦の街として記憶されている方もいらっしゃるかもしれませんね。
建材にする採石場に恵まれなかったため、街を流れるガロンヌ川の川底の粘土で作ったレンガ造りの建物が
立ち並ぶ街は、陽が当たるとピンク色に輝き、‘バラ色の街’と呼ばれているそうです。
街の中心地である市庁舎広場は絶対王政下の市参事会‘キャピトゥール’に因み、
キャピトル広場と呼ばれています。そういう広場に朝市が立ち、普通の日常生活が繰り広げられる所に
ヨーロッパ的な空気を感じました。歴史・伝統と現在の生活が共存し、調和を保っている様子は、
旅行者の気分をも和ませてくれるようです。
右のパステルの葉は市場で売られていたのではなく、ホテルに置いてあった雑誌から借りた写真ですが、
15〜6世紀にヨーロッパでこのパステル(大青)から作られた染料が大流行、トゥルーズやコルドには
パステル産業で財をなした商人の豪邸が今も残っているそうです。
‘パステル・カラー’の語源ともなったこの植物染料は、不作とインディゴの登場によって衰退したそうですが、
近年、栽培から染料作り、染色まで再現され、数世紀振りに復活している様子です。
パステル産業発祥の地で、画家ロートレックの出身地でもあるアルビには画材や布製品などの
パステル・ショップがあるそうですが、トゥールーズに同様の店を探したり、パステル御殿を訪ねてみる余裕は、
残念ながら今回はありませんでした。
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