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Oct 13 2005
Sarlat〜Beynac〜La Roque-Gageac〜Domme
 
ベイナック城 ドルドーニュ川と要塞城
ベイナック城と城壁内の家並み
 
朝方まで降っていた雨が止み、しっとりとした風情を見せるドルドーニュ渓谷を観光しました。

最初に行ったのは‘美しい村’ベイナックで、100年戦争の時には英仏の国境であったドルドーニュ川の
左右に点在する要塞城を遠望した後、今は個人の所有というベイナック城の城壁内を歩きました。
このお城は映画「ジャンヌ・ダルク」の撮影に使われたそうです。
正に中世にタイムトリップしたような村の中を、雨上がりで滑りやすくなっている石畳坂や階段に
注意しながら、ゆっくりと歩きました。誰一人足を滑らせなかったのは幸いでした。
   

 
‘美しい村’ラ・ロック・ガジャック
平底船で川下り
   
ベイナックから程近いラ・ロック・ガジャックまでバスで下り、川にせり出した垂直の崖に家を貼り付けて
作ったような‘美しい村’の岩をくり抜いて作った12〜17世紀の要塞跡や、トロピカル植物園などを見てから、
かっての運搬船ギャバールに乗って、1時間程の川下りクルーズを楽しみました。
全長467km、平均水深10mというドルドーニュ川の中流域にあたるこの辺りは、
川幅も広く、流れもゆったりしていて、本当に静かで美しい風景が広がっていました。
木々の黄葉やカモやカワセミなどの水鳥が私達のクルーズに興を添えてくれました。

下の左の写真は100年戦争の時にはベイナック城とは敵対関係にあった英国領のカステルノー城で、
現在は中世武器博物館となっているそうです。ほとんどは領土争いをめぐる要塞城ですから、
ロワール地方の華麗な居城とは全く趣きが違っているようですが、この地方に1200もの城が存在するという所に、
この辺りの土地の魅力が端的に表われているのかもしれません。
 

   
‘美しい村’ドンム

 

この日3つ目の‘美しい村’ドンムへ行きました。
ヘンリー・ミラーが「天国への近似値」と呼んだチャーミングな村と物の本には書いてありましたが、
ちょっと観光地化し過ぎている所が今ひとつに感じられました。
下の駐車上から高台にある村までプチトランで上り、
豊かで広大なドルドーニュ地方の美しい秋の景観を見晴台から展望しました。
この日はドルドーニュきっての名レストラン「エスプラナーデ」でランチということで門の前でちょっと記念の1枚です。

 

 
 
カオールのワインと一緒に、フォアグラの前菜、ほろほろ鳥のフォアグラ包みを賞味しました。
デザートは胡桃のアイスクリームとフルーツケーキです。
正直に言うなら、飛びっきりの美味とは思いませんでしたが、土地のものを味わうことは
旅の大事な要素のひとつだと思いますので、なるべく食べず嫌いはしないようにしています。

表の玄関脇のメニュー・ボードには、去年の中央フランス・ツアー以来の宿願の?ジビエ料理が並んでいましたが、
結局今年も又、車窓に犬を連れたハンターを時々見かけたものの、ジビエにはご縁がありませんでした。
 

 
 

昼食後、サルラに戻り、街の中をファビオさんのガイドで歩きました。
ベネディクト派が修道院を建てた9世紀から発展したこの街は、中世には商業都市として大変繁栄したそうですが、
100年戦争で荒廃し、その後の修復に数世紀を要したため、中世の建物の上に、ルネッサンスやバロック様式を
重ねた建物が多く見られます。ドゴール時代の文化相アンドレ・マルローが制定した
旧市街保護法「マルロー法」の適用を受けた(1964年)最初の街としても有名です。

下段の真中がサルラの代表的なルネッサンス様式の建物で、モンテニューの友人でフランス文学の
先駆者といわれるラ・ボエシの生家、右側は1995年にこの街出身のデザイナー、ジャン・ヌーヴェルが、
革命で破壊された旧サント・マリー教会に金属製の扉を取りつけられたもので、
また街に新しい様式が加わった傑作との評価を受けているものです。現在は内部が市場として使われています。
ガチョウの看板のお店やガチョウ広場がフォワグラの名産地らしい趣きでした。

 

 
 

4時前にホテルに戻った後のフリータイムは、30分ほど部屋で一休みした後、もう一度街にもどって、
買い物や散歩をして過ごしました。そして6時にツアー最年少の女性Kさん、N夫妻と合流し、
Kさんがフリータイムに目星をつけておいて下さった家庭的な雰囲気のレストランへ行きました。

Kさんにメニューを読んで頂いて注文したのが魚のスープ(ブイヤベースのような味)2人分と、
写真のメニューを1人分ずつで、これらをシェアして、私達5人にはちょうど良い分量でした。
お料理は左からトリュフ入りオムレツ(この地方のポピュラーなトリュフの食べ方のようです。)
カエル(!)とセップ茸や野菜を取り合わせた1品にエスカルゴです。
  美味しいワインと食事で会話も弾み、とても楽しい夜を過ごしました。

 

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