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Oct 14 2005
Sarlat〜Lascaux〜Limoges〜Poitiers  
   
 
ホテルを9時半に出発というゆっくり目の朝は旧サント・マリー教会の朝市で買い物、スケッチ、部屋でのんびり・・・と
それぞれ思い思いに過ごしました。水彩画歴25年のTさんのスケッチ・スタイルが絵になっていました。

朝市ではヨーロッパの栗は甘くて美味しいからと生栗を買っている方が何人かいましたが、
帰国までまだ5〜6日ありますので、私は虫が心配で(拾って帰ったドングリからは虫が数匹出て来ました。)
トリュフやフォワグラの缶詰だけを買いました。(これでは朝市の意味がありませんね!)
直径3cm余りのちっぽけな缶に入ったトリュフが27.5ユーロというのは生活実感のない外貨では買えますが、
4000円近いと思うと平素は躊躇してしまう感じです。どうやって食べるかは、中で化石になる前に?考えます。
この‘黒いダイヤモンド’を収穫するのは豚の仕事として有名ですが、彼らは見つけるとすぐ自分で
食べてしまったりするので、最近では犬がこの仕事に従事しているそうです。
   

 
ヴェゼール渓谷 ラスコーU入口
ラスコーT入口 自転車で出勤した研究者を出迎える犬
 

サルラからバスで30分余り走り、洞窟26、集落跡が147残されているというヴェゼール渓谷の
先史時代の遺跡の中でもとりわけ有名なラスコーの壁画を見に行きました。

1940年に1人の少年が犬を連れて散歩中、穴に向かって犬が吼えるのを不審に思い、
仲間3人を伴って探検に乗り出したのがこの洞窟発見物語の始まりだそうです。
ランプを片手に洞窟に入り、足を踏み外し、転げ落ちながら壁画を発見した少年達は
数日後には町のヒーローになっているとは夢にも思わなかったに違いありません。

1948年から一般公開された洞窟は人の呼吸によって菌類が発生、壁画を傷めることが判明したので、
63年には公開が中止され、研究者以外の立入りが禁止になったそうですが、
11年の歳月をかけて近くに作られた精密なレプリカ、ラスコーUが83年より一般公開されています。

木炭、酸化鉄、酸化マンガンなど当時の絵の具を使い、炭を口に含んだ呼吸や、指、筒スプレー、毛筆を使って、
90%まで手法を模して作られたといわれるラスコーUは、「観光用のレプリカでしょ。」という予想を見事に裏切り、
先史時代のシスティーナ礼拝堂という称賛がうなずける素晴らしいものでした。
躍動感みなぎる牛、馬、鹿など動物の彩画や、まだ意味が解明されていない線刻画などが
全長約250mの洞窟内に1500ほども描かれているそうですが、外光の届かない洞窟内で、
石製のランプだけを頼りに、岩の凹凸を利用して立体感を出したり、5mもある牛を生き生きと迫力ある姿で
描いたという事実そのものが信じられないことでした。

この遺跡には生活跡もなく、発見当初はこれらの絵は狩猟の成功を祈って描かれたものと推察されていましたが、
1万7000年前のクロマニヨン人の時代には、ここに描かれている動物達は狩猟の対象ではなかったことが分かり、
現在は岩の中の精霊と交わる為の儀式が行なわれた聖域ではなかったかという意見が
有力視されているようです。人間が牧畜を始めた1万年前になると、
動物よりも人間の方が上であるという意識が芽生え、動物の壁画は描かれなくなったそうです。

 

   
サン・テティエンヌ大聖堂 市立博物館
国立アドリアン・ドゥブーシェ博物館
 

ラスコーを11時半頃出発して、高速道路で北上、途中のサービスエリアでランチ休憩をはさみながら、
2時頃リモージュに着きました。ローマ時代に発展、中世にはサンチャゴへの巡礼者で賑わったリモージュは
現在は陶磁器や七宝焼きで有名なリムーザン地方の中心都市となっています。

13世紀後半から19世紀にかけて建築されたゴシック様式のサン・テティエンヌ大聖堂や、
現在は市立博物館となっている司教館の外観を見ながら、
島崎藤村が1914年にパリからボルドーへ行く途中、この街に2ヵ月半滞在した時、
ここも度々訪れていた筈です、などとガイドのアニーさんから説明を受けました。

その後、時代別、産地別に陶磁器が展示されている国立アドリアン・ドゥブーシュ博物館へ行きました。
建物を入ってすぐ、ホールの真中に堂々と座っているアドリアン・ドゥブーシュ氏がこの邸宅の持主、窯業に功績、
或いは別の重要人物であったのかは聞き漏らしてしまいました。(イヤホン・ガイドの故障のせいということに・・・。)

1768年に近郊で磁器粘土‘カオリン’が発見されたことによって、リモージュの白磁は飛躍的に発展したそうです。
現在のリモージュ磁器の配合は「Kaolin 50% Feldspath(長石)25% Quartz(水晶)25%」ということです。
リモージュの白磁は他のヨーローッパの磁器窯のものより薄く繊細な印象を受けます。

博物館見学の後、商店街でショッピング・タイムが取られましたので、手ぶらで帰る訳にはいかず?
アビランド社のお皿を選びましたが、価格は日本のディスカウント・ショップと変わらない印象でした。

 

   
リモージュ市庁舎 クラン川?
 
リモージュ市庁舎、ルノワールが子供時代に住んでいた家などを車窓に見ながらリモージュを離れ、
再び2時間余り北上して、2泊するポワティアの街に6時半過ぎに到着しました。
フランス国内を走っていると、思わずカメラを向けたくなるような美しい川景色にしばしば出会います。
 

 
 
ホテルの隣のドイツ風レストランでの夕食は、ワインを休み、ビールにした人も見受けられました。
左からポテトサラダ、ビーフステーキ、チョコレートケーキというメニューでしたが、
今、写真を見るだけでも、おなかが一杯になりそうなボリュームです。
 

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