ブールジュ南東60kmに位置するアプルモン・シュール・アリエが今回5つ目、最後に訪れた‘美しい村’です。
城の継承者アントワネットは身分の違いからユージニーとの結婚を反対され、贈られた指輪を川に
投げ捨てられてしまったのですが、食卓に上ったスズキのお腹からその指輪が出てきたことから反対を解かれ、
1894年に結婚することが出来たそうです。城主となったユージニーが50年の歳月をかけて城の修復、
中世の村の復活に心血を注ぎ、その意志をアントワネットが受け継いだのが、この美しい村の誕生物語なのだとか。
到着する頃まで降っていた雨は幸いにも止み、今まで訪れた川の崖上の村とは違って、ゆったり流れるアリエ川に
面して家並みが続き、植栽にも手入れの行き届いた人口100人足らずの村の中をのんびり散策しました。
この村は、かってはオルレアン周辺の教会建築のための石を切り出していた人びとの集落だったそうです。
村の高台に建つ城館の見学に行こうとしたら、門の所で管理人さんに入れないと言われたのですが、
代わりに?とUさんが交渉して、何と管理人さんの家の中を見せてもらうことになりました。
ブルーの洋服の後姿の管理人さんはちょっとはにかみながらOKしてくれました。
私だったらOKしないだろうな、なんて考えると長居をするのが憚られる感じではありましたが・・・・。
びっくりする程たくさん人形や置物が飾られていました。
見せてもらっている間に高台の城館から下りて来た車は、クラクションを鳴らすでもなく、黙って、
管理人さんが気付いて門を開けてくれるのを待っていました。一昔前のよき時代の人達に出会った感じでした。
その管理人さんの紹介で、夏しか入れない庭園にも入れていただきました。
美しく整えられた庭園の秋の装いを楽しませていただいたのですが、ここで大変申し訳ないことにも、
雨上がりの芝生の下り坂で足を滑らせしまい、靴で数十センチも芝生を削って来てしまいました。
来年の開園までに生え揃っていることを願うばかりです。 |