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Oct 20 2004

Apremont‐sur‐Allier〜Nevers〜Sagonne〜Blet〜Bourges

   
アプルモン・シュール・アリエ
川沿いの風景 アリエ川

庭園 (Parc Floral)
城館門脇の管理人宅
城館遠望       村の家並み           <TS>
 

ブールジュ南東60kmに位置するアプルモン・シュール・アリエが今回5つ目、最後に訪れた‘美しい村’です。
城の継承者アントワネットは身分の違いからユージニーとの結婚を反対され、贈られた指輪を川に
投げ捨てられてしまったのですが、食卓に上ったスズキのお腹からその指輪が出てきたことから反対を解かれ、
1894年に結婚することが出来たそうです。城主となったユージニーが50年の歳月をかけて城の修復、
中世の村の復活に心血を注ぎ、その意志をアントワネットが受け継いだのが、この美しい村の誕生物語なのだとか。

到着する頃まで降っていた雨は幸いにも止み、今まで訪れた川の崖上の村とは違って、ゆったり流れるアリエ川に
面して家並みが続き、植栽にも手入れの行き届いた人口100人足らずの村の中をのんびり散策しました。
この村は、かってはオルレアン周辺の教会建築のための石を切り出していた人びとの集落だったそうです。
村の高台に建つ城館の見学に行こうとしたら、門の所で管理人さんに入れないと言われたのですが、
代わりに?とUさんが交渉して、何と管理人さんの家の中を見せてもらうことになりました。
ブルーの洋服の後姿の管理人さんはちょっとはにかみながらOKしてくれました。
私だったらOKしないだろうな、なんて考えると長居をするのが憚られる感じではありましたが・・・・。
びっくりする程たくさん人形や置物が飾られていました。
見せてもらっている間に高台の城館から下りて来た車は、クラクションを鳴らすでもなく、黙って、
管理人さんが気付いて門を開けてくれるのを待っていました。一昔前のよき時代の人達に出会った感じでした。
その管理人さんの紹介で、夏しか入れない庭園にも入れていただきました。
美しく整えられた庭園の秋の装いを楽しませていただいたのですが、ここで大変申し訳ないことにも、
雨上がりの芝生の下り坂で足を滑らせしまい、靴で数十センチも芝生を削って来てしまいました。
来年の開園までに生え揃っていることを願うばかりです。

 

   
ヌヴェール
ロワール河沿いのヌヴェールの街 ランチのホテル・レストラン

卵料理
ワイン ‘Pouilly‐Fume ’
 
ロワール河右岸にあるヌヴェールの街でランチを取りました。ランチの為だけに寄った街ですが、
少し調べてみますと、ガリア時代からの古い街で、巡礼やツール・ド・フランスなどで有名な所のようです。
第2次世界大戦中にナチスに占領されていたため、1944年に連合軍の徹底した無差別爆撃を受け、
街が焦土と化したという辛い歴史も残しているようです。

ツアーも3日目頃になると飲みグループが決まり、いつも4〜5人でワインボトルをシェアしたお陰で、
いろんなワインを楽しめたのですが、中で1等賞の白ワインがこの‘プイィ フュメ’でした。
卵もムーレットソース添えと書かれるとごちそうに見えました。
レストランのテントの‘SALLES CLIMATISEES’というのはエアコン付きの部屋ということらしいです。
それが売りになる位ですから、ヨーロッパのホテルでは設備がない所が結構あるのかもしれませんね。
 

   
サゴンヌ
サゴンヌ城
 村の風景 
 
当初のスケジュールには入っていませんでしたが、時間にゆとりがあるということで、
Uさん企画で寄り道した小さな村です。堀に囲まれた17世紀のお城がありました。
ここもオフシーズンでしたが、工事の人達が中に入れてくれました。外観だけかと思っていたら、
展示物のある部屋にも案内してくれました。ピアスをした強面のおにいさん達ありがとう!でした。
こんなに長閑な村で暮していたら、みんな良い人になれるのかも知れません。
 

   
ブレ

市場?
サンタマリア教会     <TS>
 

今度は運転手のパトリックさんが親切心を刺激されて?バスを止めてくれた町です。
サンタマリア教会の12世紀のステンドグラスが美しいからということでしたが、黒いマリア像が印象的な教会でした。
フランスではノートルダムがマリア様の教会で、サンタマリアという名前の教会は少ないように思います。
古い時代の女神信仰がキリスト教に組み込まれていった辺りの事情と関係があるのでしょうか。
教会の隣で情けない姿をさらしていた古い市場のような建物の屋根はトラックにぶつけられたものだそうです。
このあたりなら、修復の職人さんを探すのも難しくないのではと思われますが・・・・。
〔追記〕 添乗員Uさんに確認すると、やはりここもノートルダム教会が正しい名称だそうです。

 

   
ブールジュの湿地帯 (Les Marais)
 
ブールジュのホテルに4時前に帰り着きましたので、昨日より足を延ばしてマレ(湿地帯)へ行ってみることにしました。
地図で見ると近いのですが、入口までが遠く、やっと中に入ったと思ったら、プライベートな畑のような所が続き、
道を間違えたのではないかと不安を感じ始めた頃、ようやくサン・テティエンヌ大聖堂が見える沼に出て、
ぼつぼつ散歩の人達にも出会うようになり、ほっとしながら、街と隣接している所とは思えない程静かで、
(街が発展して湿地地帯近くまで拡大して来たという方が正確ですね。)牧歌的な景色の中の散策を楽しみました。
1時間余り歩いて街にでると、今度はホテルから程近い出入り口に出られ、最初から安心して歩けていたら、
もっともっと寛いで、心ゆくまで散歩を楽しむことが出来たのにと思ったことでした。

かっては敵の侵入を防いでいたこの湿地帯は、イエズス会などの手によって17世紀に水路が作られ、
整地されたもので、19世紀から第二次大戦後までは湿地栽培の盛んな地として知られていたそうです。
   農業の形態が変化した現代では専業の野菜業者はいないそうですが、ブールジュ市民の家庭菜園として
利用されているそうで、親子連れなどで畑の手入れや収穫をしている姿を見かけました。
市街地から徒歩10分とは信じ難いのどかな風景です。
 
オテル・ド・ブルボン
パルメザンチーズ入りリゾット 鴨とじゃがいものパンケーキ    <TS>
 
ツアー最後のディナー・メニューです。レストランではなく、ホテルの1室に席が用意されていました。
ツアー最後の夜は、いつも親しい中に寂しさや名残惜しさが漂う独特の雰囲気になります。
今回や今までの旅の話をしながら、ゆっくりお料理と旅行社サービスのワインを味わったと
書きたい所ですが、このお料理はあまり好評ではありませんでした。
リゾットや肉が固い、塩辛い・・・・と、Uさんが給仕長に一言クレームをつけていました。
でも和気藹々とした過ごした夜は心に残る旅の良い思い出のひとつです。
 

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