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昨秋の終わり頃、「イスラムの遺産を訪ねて モロッコからジブラルタル渡峡 スペイン・アンダルシアの旅」という
パンフレットが旅行社から送られて来て一読した途端、すっかり旅心をそそられてしまいました。
モロッコ、ジブラルタル、アンダルシア・・・・・何とエキゾチックな魅力を湛えた響きでしょう!
これは行ってみる他はない、ということで早速見聞して参りました。

「スペインとモロッコの間に位置するジブラルタル海峡はイスラム文化とキリスト文化の接点として、
文明の発展において重要な役割を果たしてきました。ヨーロッパ文化が花開く以前は
医学、天文学、数学等はイスラム文化よりイベリア半島を経由してヨーロッパへ、
またレコンキスタによるグラナダ陥落後のイスラムの終焉もジブラルタルでした。」とパンフレットが謳う、
カサブランカからグラナダまでの「イスラムの遺産」の小さな旅物語を綴ってみたいと思います。

 

 
14 Feb 2007
 Narita〜Casablanca
 
成田シベリア上空
シャルル・ド・ゴール空港
カサブランカ空港
 

小雨の中、12時50分発のエールフランスで成田を出発しました。
午後から大荒れという天気予報で、成田を発つと間もなく厚い雲に覆われ、窓から見えるのは雲ばかりでしたが、
無事、日本海を抜け、シベリア上空に差し掛かると、凍てついた凛とした美しさの大地が広がっていました。
機内座席はどちらかと言うと通路側を希望する方が多いようですが、
私はほとんど半眠状態で何とか時間をやり過ごしながら、時々窓から外を眺めるのが好きです。
外とつながっている窓が密閉の窮屈さを少しだけ和らげてくれる感じがします。

予定より少し早く、12時間程でシャルル・ド・ゴール空港に到着しました。
到着と同時に荷下ろし作業が始まっている私達が乗って来たボーイング777機に
「お疲れさま!」という思いも込めてカメラを向けてみました。
EU加盟国内では特に液体物持込に関するセキュリティ・チェックが厳しくなっていますが、
今回パリで私が引っ掛かったのは金具の付いた靴で、はだしになって靴も荷物と一緒にX線検査台に載せました。

夕方5時にパリに到着して、カサブランカに向うのが21時5分発の予定でしたが、40分程遅れ、
余計に長い待ち合わせ時間になりましたが、これは我慢の一語でひたすら耐えるしかありません。
「長いフライトさえなかったら!」と旅仲間から良く聞きますが、この苦労あってこそ旅の感動も深まるというもの、
というのは一理あるものの、ちょっと負け惜しみの気分が入っているのも否めません。

少し遅れを取り戻して、15分遅れの23時25分にカサブランカのモハメッド5世空港に到着しました。
(1時間の時差がありますので、実際は3時間弱の飛行時間です。)
空港内ではカメラを取り出すのは憚られる雰囲気がありましたので、バスに乗ってから空港を写してみました。
20世紀に入ってフランス人によって商業都市として作られたカサブランカは、
人口400万人を要するモロッコ最大の国際都市ですが、漂う雰囲気や空気がヨーロッパとはかなり異なり、
こんな夜中の空港にも人が(子供達まで!)たむろしていて、早速アラブの国に来たことを実感しました。

午前1時にホテルに入り、就寝は2時、つまり日本時間では午前11時ということになりました。
ということは家を出てから27時間という計算になります。長い、本当に長〜〜い1日がようやく終りました。

 

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