9時にホテルを出発して、バスでシエラ・ネバダの麓のアルプハラ地方の村を訪ねました。 ここはナスル朝最後の王ボアブディルがアルハンブラを去った後、2年間隠棲生活を送った地です。 (その後、再びモロッコのフェズに追われて、そこで生涯を閉じてしまいます。) ボアブディル一行が辿った荒涼とした丘陵には、「涙の丘」とか「モーロ人の最後のため息」と 今でも呼び習わされている場所があるそうです。 「泣くがいい、男として守り切れなかったからには、女のように泣くがいい。」と母アイシャから叱責され、 「もしも、わしがボアブディルであったらなら、守るべき城ひとつない敗残の身でどうして生きながらえよう。 いっそ、このアルハンブラを死に場所として選んだことだろうよ。」とカルロス5世から 嘲笑されたと伝えられるボアブディルの評価は、 誠実であったとか、愚か者であったとか、様々に分かれているようです。 ミネラル・ウォーターで有名なランハロンの健康センターのような所で、 持参した空のペットボトルに水を入れてもらってから、カピレイラの村へ向いました。 加工していないミネラル・ウォーターはガス入りのような味で、好みではないという人が多かったようです。
傾斜地に連なる白い家並みは、今回の旅で数え切れない程目にしましたが、 今なお、イスラムとキリスト教の共存が見られるアンダルシア地方という土地柄には興味がつきませんでした。