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21 Feb 2007
Torremolinos〜Malaga〜Nerja〜Frigiliana〜Granada
トレモリーノスのホテル前の海岸
   

宿泊したメリア・コスタ・デル・ソルは2棟並んだ11階の建物がトレモリーノスのランド・マークの1つとなっている
540室もある大型リゾート・ホテルで、ハイシーズンの賑わいはさぞかしと思われました。
朝食後、ホテル前の海岸を散歩していると、8時10分頃、雲の上から太陽が顔を出し、
海岸が一気に明るくなって行きました。

 

   
マラガ港と闘牛場 下方がアルカサバ(城塞)

カテドラル
   

9時にホテルを出発して、アンダルシア地方の玄関口、コスタ・デル・ソル(太陽海岸)の中心に位置する
マラガへ寄りました。地名は紀元前に入植したフェニキア人が「マラカ」と呼んだことに因み、
ローマ、イスラムと続いた時代の痕跡を今も留めた街でした。
「ヒブラルファーロ」(アラビア語で山の灯台の意)と呼ばれる丘の上のイスラム時代の城壁から
マラガの街やアルカサバを一望した後、街へ下りました。

16世紀に建築が始まり、資金不足のために1782年に建築が中止され、塔が1つしか完成していない
カテドラルは市民から「ラ・マンキータ」(小さな片腕の夫人)と呼ばれているそうです。
旧市街の入口に位置するカテドラル前にはウィーンのシュテファン寺院と同じような観光馬車が停まっていました。

マラガで生まれたピカソ(1881−1973)の遺産を相続した親族の寄贈によって、
2003年にこの生誕地にも新たなピカソ美術館が誕生していました。
ルネッサンス様式とムデハル様式混交のアンダルシア建築の粋を集めて16世紀初めに建築され、
国の文化財に指定されているブエナビスタ伯爵邸を改造した美術館には
155点のピカソの未公開作品が集められているそうです。
カメラや大きな荷物はクロークに預け、手荷物はスキャナー・チェックされるという厳重な受付警備を通って、
ピカソの各時代の絵画、ドローイング、彫刻、陶器、リソグラフを鑑賞しました。
今回は予期していなかった美術館行きで、少し得をしたような気分で、規模も雰囲気も程良い館内を
ピカソの天才(凡才の理解超え・・・?)に触れながら歩きました。

その後、残った30分程の自由時間はカテドラルを覗こうかとも思ったのですが、
先生に引率された子供達が入口に列を作っていましたので、後に並ぶのも億劫に思い、
街をぶらぶらと歩きしました。
生誕125年と書かれたピカソの絵が保護シートに使われている修復中の建物はマラガ美術館のようです。
カテドラル周辺の旧市街はレストランやバールが軒を並べ、細い路地がイスラムの雰囲気を残していました。

 

   

ネルハの海岸
エル・サルヴァドール教会
「ヨーロッパのバルコニー」
 

マラガを後にして、バスで1時間程走り、ネルハへ行きました。
アルハミーラ山系が海岸近くまで迫っているこのあたりは変化に富んだ美しい海岸線が続いていました。

この海岸にはイスラム時代に作られた城の土台を基礎に16世紀に城壁が作られたのですが、
1812年に当時スペインを支配していたフランスに攻撃をしかけたイギリス軍によって破壊され、
現在は城壁跡を利用した「ヨーロッパのバルコニー」と呼ばれる大きな半円形の展望台となっています。
古い砲台が城塞の時代の名残りをとどめているバルコニーの下はレストランになっていて、
地中海に面した風光明媚な名所として人気を集めているようです。

エル・サルヴァドール教会はムデハル様式からバロック、ロココ様式へとイスラムからキリスト教会様式への
変遷が見られるという16〜17世紀に作られた教会です。
1487年にキリスト教徒に征服された後、この地に留まったムデハルの技が残っているのでしょうか。

   
 
1時半頃、ネルハのパラドールに到着しました。
海に面した広大な庭が魅力的なパラドールでは、デッキ・チェアで読書をしたり、日光浴をしたり、
羨ましい程、のんびりと豊かな時間が流れているようでした。
庭の端から下を覗くと、コスタ・デル・ソルらしいリゾート海岸が広がっていました。
太陽海岸という名前が納得出来る風景です。
 

 
 
パラドールでのランチはガスパッチョの原型と言われるサルモレッホ・スープ(トマトとニンニク味)、
オックステールのシチュー、リンゴのケーキでした。
レストランの雰囲気と共に、少し重みのあるお料理を楽しく味わいました。
 

   
フリヒリアーナ遠望

街中の家並み
 

かって「スペインで一番美しい村」の選ばれたことがあるというフリヒリアーナへ寄りました。
モリスコ(キリスト教に改宗したイスラム)が16世紀半ばに反乱を起こしたという歴史を持つ村で、
その時の様子を描いたタイルが壁に貼ってありました。

M添乗員さん達と離れ、健脚組?5〜6名でどんどん上へ登って行くとメインルートから逸れてしまったようで、
石垣をよじ登るようにして上がった所から(どうやら民家の庭へ入り込んだようでしたが、
人の気配はありませんでした。)写したのが上の‘遠望’写真です。
イスラム特有の入り組んだ道を体験したということでしょうか・・・。

フラメンコ姉妹をカメラにおさめたりしながらの帰り道、かわいい手編み(風?)の小さなカーデガンを見つけ、
あまりキャッシュを持っていないけど、と思いながらお店に入って値段を聞くと、
何と10ユーロ(今回のレートで1600円ちょっと)!
集合時間が近付いていましたので、夫に急かされながら2枚を選び、坂を駆け下りてバスに戻りました。
ついついツアーメイト達に安さ自慢をしてしまったカーデガンは孫達からも合格点をもらえたようです。

 

   
   
フリヒリアーナから北上して、グラナダへ向いました。
これから行く先に中世の面影を残した魅惑的な美しい街グラナダが現われるとは信じられないような、
シエラ・ネバダ山系の荒々しい風景が車窓に続いていました。
6時過ぎにグラナダのアルハンブラ・パレス・ホテルに到着しました。
   
   
ホテルの部屋の窓からはグラナダの街が一望でき、廊下から出られるバルコニーからは
夕日に輝くアルハンブラ宮殿が見え、今回の旅の最後のハイライトが素晴らしいスタートを見せてくれました。
 

 
 
新鮮なサラダと白身魚(鱒?)のクリーム・ソース、果物がホテル内レストランでの夕食でした。
8時半からの夕食タイムにも慣れ、同じホテルに3泊するという余裕をお相伴にした素敵な夜でした。
 

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