もともとは砂漠の民であったイスラムの人々の楽園をイメージして作られたと言われるアラヤネスの中庭と
彫刻を施された大理石の列柱廊、コマレスの塔を望むポイントはアルハンブラのハイライトの一つです。
大使の間の玉座からは逆方向に同じような水鏡が見られた筈ですが、
イスラムが滅びた後はカルロス5世宮殿の廂が景観を損ねてしまっています。
宮殿内のそこここに‘神のみぞ勝利者なり’という文字が刻まれていて、完全なものを造るのは
神への冒涜と考えた建築家や職人達は仕事のどこかにわざと不完全な部分を残しているそうです。
王達は彼らの仕事を讃美しながら、他の場所に同じ物を作らないように命を奪ったという凄まじい話も残っています。
泉水両側に植えられたアラヤネスは柑橘系のさわやかな香りのする低木でした。
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