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   馬牧場                  30 Jul 2010


雨上がりの朝、9時半から2時間ほど、KJ夫人のご実家で、現在はお兄様が経営されている馬牧場を
見学させていただきました。ドライブ途中に何度も牧場を見掛け、中に入ってみたいと思った願望が、
菊花賞などの優勝馬を出したこともあるという由緒ある牧場で叶って、幸せなひとときでした。

野生時代の名残りでほとんど眠らないといわれる馬は夜間放牧をすることによって逞しさを育成するそうで、
朝の牧草地には馬の姿が少なかったですが、左は自立心を育てるために一頭だけにさせられている3歳馬で、
右は私達を乗せる準備をしてくれていたシーラ号です。



屋内乗馬場で、鞍を付けたシーラ号に乗せていただいた4人の姿です。
首のあたりを優しく叩いて、「よろしく」と挨拶してから乗馬、たづな捌きの他、舌呼とよぶ舌を使った合図、
足でトントンと胴体を軽く叩く扶助など教わりましたが、なかなか実用には至らず、
引き紐なしになると、素人相手の退屈さに?どんどん内側へ入ってしまうシーラをコントロール出来ず、
ゆるゆるのたずなで困惑している所が可笑しい写真をご披露、というか、
そんな場面しか撮ってくれていなかった!夫でした。



乗馬記念写真


厩舎では今年生まれの仔馬とお母さん馬が何頭も並んでいましたが、
身体は大きくても生後数ヵ月の甘え盛りの仔馬は手を舐めたり、指をかんだり、じゃれるのが大好きなようでした。
馬の妊娠期間は11か月だそうですから、お母さん馬は既に来春出産の準備をしているのかもしれません。



たてがみやしっぽを散髪してすっきり顔のシーラ号

午後は雨が降ったり止んだりのお天気になりましたので、散歩や昼寝などそれぞれ思い思いに過ごしました。
実は今回の様似へのお誘いには、幌尻岳に登りたいHNさんが夫を相棒として選んだといういきさつが
あったのですが、雨気味だった先週に引き替え、今週は晴れ続きという天気予報に喜んだのも束の間、
西の方から段々と雨が近付いてきましたので、平取町役場へ問い合わせをすると、
沢の増水のために幌尻岳の入山は禁止になっているとのことでした。
1週間の滞在中にベスト・コンディションの日を選んで1泊登山に行くという予定を断念、
2人の山男には無念が残ることとなってしまいました。
本州は熱帯、北海道は梅雨のような異常気象には敵わなかった夏でした。




馬牧場へは行かず、一人で海へ出稼ぎにいらしたHZさんは、
今日も仕留めてきたクロガレイをお刺身にして下さって、甘い上品な味が大好評でした。




 中札内村                 31 Jul 2010


滞在日が残り少なくなった31日には天馬街道経由で帯広の南の中札内村へ出掛けました。
HNさんは札幌へ帰られるHKさんの車で幌尻岳の麓まで出掛け、現地調査をして次回を期すことになりました。
写真は日高山脈の山並みをバックにした十勝平野のじゃがいも、大豆畑で
HNさんとは反対側から幌尻岳方面の素晴らしい景観を楽しみました。



じゃがいもの花


中札内では先ずカシワの林の中に美術館やレストランが点在する「中札内美術村」へ行きましたが、
予習をして来なかったせいもあって馴染みの薄い作家達の美術館へ入りたいという声は出ず、
30分ほど気持の良い林の中を散歩して車に戻りました。


 
シロバナノビネチドリ             サワヒヨドリ


中札内の道の駅に移築された大正末期の開拓農家を利用したお蕎麦屋さんでランチタイムとなりましたが、
「当店一番人気」とメニューに書かれたゴボウ天ザルを全員が頼み、
山盛りのゴボウ天を見た途端、いろんな物を分け合って食べれば良かったと悔やんでしまいました。
お蕎麦はこしがあっておいしかったのですけれど、ゴボウ天は食べがいがあり過ぎる量でした。



道の駅から程近い「六花の森」にも立ち寄りました。
レーズンサンドでお馴染みの六花亭製菓が包装紙の絵に使っている画家、坂本直行の資料を展示するために、
2007年9月にオープンしたのが「六花の森 坂本直行記念館」で、
クロアチアの古民家のオーク材を再利用したという各展示棟の外壁が、
豊かな緑に包まれた北海道らしい景観とうまく調和していました。
因みに坂本直行は坂本龍馬の親類にあたり、
六花というのはハマナシ、エゾリュウキンカ、オオバナノエンレイソウ、エゾリンドウ、シラネアオイ、カタクリを
 十勝六花と定めたもので、園内ではその六花を中心に育てているようでした。


  
ハマナシ                エゾニワトコの実             オオハナウド   

3時頃、中札内を出て、5時前に様似へ戻ってきました。
昨日、家の前でキタキツネを見たという情報がありましたので、夕方少し散歩に出ると、
運良く出会うことは出来ましたが、余りきれいではないみすぼらしい姿をしていました。
昨夜は隣のTJさん宅のじゃがいも畑がエゾシカに掘り起こされたそうですし、
様似にも動物達が里まで下りて来るという難題が持ち上がっているようです。




様似                    1 Aug 2010


いよいよ様似滞在最後の日となりました。
5時半に早朝釣りに挑戦したHZさんと夫は、ドンコ2匹とアブラコ1匹を手にして戻って来ました。

朝食後は荷物をまとめたり、大掃除をしましたが、6人で取り掛かればあっという間に家中がきれいになり、
早々と帰り支度が終わってしまいました。

外は雨で、少し手持ち無沙汰の午後は、「議論が沸騰したりして、空気が険悪になった時のために」と
HZ夫人が持参されたウノで遊びました。(毎晩アルコール漬けで、議論も沸騰するに至らず・・・?)
1点5円として賭けた10回勝負は、残念ながら計算表をデジカメに収めるのを忘れてしまいましたが、
600円の私が1等賞で、夫婦単位では我が家が1500円、HZ家が2000円、HN家が2500円ほどの負け金が
共通財源に収まり、ほど良い刺戟の賭け事タイムとなりました。

今朝の収穫品は、冷蔵庫の大掃除の観もあった最後の夕食のテーブルで味噌汁に変身して、
大絶賛を受けることになりました。




 様似〜札幌           2 Aug 2010


近くのよろず屋さん?を早目に開店してもらって、宅急便を発送、朝8時に帰路につきました。
「ゆっくり景色を見て行って」と北海道出身のお姉様方のご厚情で譲られた助手席で車窓撮影を試みましたが、
観光バスのように車高が高くない乗用車から撮るのは難しいものがあり、
辛うじて使える馬牧場と昆布干しのスナップを2枚載せてみました。




国道235号線は様似の隣町の浦河から日高町門別までの区間が優駿浪漫街道という愛称で呼ばれていて、
街灯や広告塔など様々な場所に馬のモチーフが使われていました。
休憩した新冠では7月3日に骨折のため死去したオグリキャップのお別れ会が先週29日に開催されたようです。
1980年代に競馬ブームを呼んだアイドルホースのDNAは今後も変わらず引き継がれることでしょう。

11時15分頃、札幌ホンダ・レンタカー営業所に到着し、営業所の女性に運転を代わり、
グランドホテルまで送ってもらい(総走行距離は980km)、チェックインまでには時間がありましたので、
荷物を預けて、駅ビルへランチに行きました。




お目当ての回転ずし店には長い行列が出来ていましたので、別のおすし屋さんに入ると、
途端に味より見かけの?都会的なランチ・メニューとなってしまいました。
食後、HN夫妻はお墓参りに、私達はHZ夫妻がいらっしゃる予定をしていた教会に同行させていただきました。



軽井沢の聖パウロ教会で有名なA.レーモンド設計による札幌聖ミカエル教会は、
和紙のステンド・グラスやレンガ使いが独特な雰囲気を持つ1960年に建てられた木造教会で、
カトリックとプロテスタントの中間的な教義を持つ「日本聖公会」に属しているそうです。
北国の風土にマッチした美しい教会でした。


 

教会の帰り、地下鉄の駅を探しながら歩いていると(行きはタクシー)、少し前方に北大が見えましたので、
HZ夫妻と別れて、私達は北大見学に出掛けることにしました。

左の建物はクラーク博士の大農経営構想を元に明治10年に建てられた模範家畜房を中心とした農業施設を
明治42〜44年に旧農学校第2農場から現在地へ移築または新築したもので、
明治の洋式建築として1969年に国の重要文化財指定を受けたモデルバーンと呼ばれる建物群です。
右はお馴染みのポプラ並木ですが、アメリカから移入したポプラを牧場の境界線として明治45年に
札幌農学校林学科の学生が植栽したことが始まりで、2004年秋の台風で51本中、半数以上が被害を受けたため、
歴史的、観光的資産として現在熱心な再生事業が行われているようです。
歴史ある北大構内を1時間半ほど散歩して、3時半過ぎにホテルにチェックインしました。




5時前に札幌駅前のバス停で3夫婦が合流し、サッポロガーデンパークへ出掛け、
ビール博物館を見学した後、ビール園のケッセンホールで打ち上げ夕食会を行いました。


ジンギスカン鍋を前に満足感いっぱいの6人組!



札幌〜羽田           3 Aug 2010
   

8時から和定食朝食をいただいた後、時計台や大通公園へ散歩に行きました。
時計台は由緒ある歴史を持つ建物で、我が故郷のはりまや橋と3大がっかり名所に並べるのは
気の毒だと思いました。少し歩くと文化庁の有形文化財の教会にも出会えました。
9時15分頃、一足早くJAL便で帰京される2夫妻をホテル前のバス停でお見送りして、
一休みした後、また札幌観光に出掛けました。



道庁赤れんが庁舎
大通公園
北大付属植物園
清華邸

サクシュコトニ川
クラーク像

様似のおまけの札幌観光でしたが、北海道のシンボルである重要文化財「赤れんが」で建物や展示物を見学、
北大付属植物園を散策、昨日見忘れたクラーク像、サクシュニトコ川を見るために北大を再訪する途中で
明治13年建築の貴賓接待所で札幌市の有形文化財となっている「清華邸」に立ち寄り・・・・と
様々な文化財に出会い、札幌の歴史に触れたとても有意義な時間となりました。

歩き疲れてしまいましたので、予定より早く、グランドホテル前2時18分のバスで新千歳空港へ向い、
3時半過ぎに空港に到着、5時半の出発までお土産を買ったり、「北の空港弁当」を広げて過ごしました。
予定通り5時半に出発したANA機は滑走路を少し走った後、ブレーキをかけて止まってしまい、
タイヤの火災報知機の誤作動が確定され、書類手続きを終えるまでに1時間余りを要するという
ハプニングがありましたが、最終的には45分遅れで7時50分に無事羽田空港に着陸することができました。

楽しい様似旅を振り返りながら、花や食材のベスト・シーズンにまた行ってみたいと欲張りな思いが湧いています。
       KSさん、KJさん、TJさん、そしてHZ、HNさん両夫妻に感謝を込めて!   2010.8.13完


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