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2022・11・6 (日)
品川~京都~奈良
大山 富士山

東京駅11時発の「のぞみ225号」に品川駅から11時7分に乗車、ツアーに合流して奈良旅が始まりました。
コロナ禍でジパング倶楽部を解約するまでは「ひかり」を利用していましたので、
停車駅の少ない「のぞみ」のスピードを体感しつつ、流れ去っていく景色を楽しんでいると、
早くも11時40分に冠雪の少ない富士山が車窓に現れました。

  

富士山の姿を見届ければ満足、というのが常のこと、程よいランチタイムにもなった所で、
品川駅で調達して来た駅弁をいただきました。



定刻1時15分に京都駅に着き、四国方面からの参加者も合わせて29名が大型バスに乗車して、
高速道路を奈良へ向けて出発、1時間足らずでJR奈良駅近くのダイワロイネットホテルに到着しました。

2時半少し前にホテルにチェックインし、部屋に荷物を置いて一息入れて、3時に再集合、
ボランティアガイドさん達の簡単なツアーガイダンスを受けた後、春日大社へ向かいました。

祓戸神社 着到殿

春日大社駐車場でバスを降り、3班に分かれて、各班1人ずつのガイドさんに案内されて、
大社参拝(観光?)に向かいました。
二之鳥居を抜けて最初に立ち寄ったのが、神護景雲4年(770)創建の古社と伝えられ、
現在も天皇勅使が本殿へ向かう前にお払いの儀式(祓戸の儀)を行う祓戸神社で、
「知らず知らずのうちに犯した罪・穢れを祓い清め、人々を幸せに導いてくださる」という御社でした。
少し進むと勅使が着到の儀式を行い、天皇行幸の折には行在所としても使われた着到殿がありました。



境内では約2千基の石灯篭、約千基の釣灯籠の林立が目立っていますが、
左のような「春日大明神」と彫られた灯籠は15基しかなく、その中の3基を見つけることが出来たら、
億万長者になれると言い伝えがあるそうで、
1基には出会えた訳ですから、千万長者を期待しておくことにしましょう。


  

苔むした石灯籠の形は様々で、中座や台座に鶴、鹿、亀などを彫り、意匠を凝らしたものがありました。
着到殿から本殿とは反対の南へ向かい、春日大社末社・夫婦大國社へ行きました。



平安時代に出雲大社から大国主命(おおくにぬしのみこと)と須勢理姫命(すせりひめのみこと)の神霊を迎え、
神像を彫刻したことに始まるという夫婦大國社は、日本で唯一、夫婦の大國を祀った神社で、
縁結び、商売繁盛の神様として、篤い民間信仰を受けている様子が窺えました。

若宮神社 (右の本殿写真は春日大社HPより借用)

夫婦大國社の程近くに春日大社摂社の若宮神社がありました。
武甕槌命(たけみかづちのみこと)、経津主命(ふつぬしのみこと)、天児屋根命(あまこやねのみこと)、
比売神(ひめがみ)の四神を勧請して、藤原永手によって神護景雲2年(768)に創建された春日大社に、
天児屋根命と比売神の御子神の天押雲根命(あめのおしくもねのみこと)を祀る若宮神社が
保延元年(1135)に造営されたのは、長年にわたる大雨洪水による飢饉で、疫病がまん延した時、
時の関白藤原忠道が若宮の霊威にすがって国家安寧を願ったことによると言われています。

今秋、20年に1度の式年造替の修復を終え、10月28日に本殿遷座祭が行われた若宮神社は、
一般には全容を見ることが出来ない大社本殿と同じ春日造で建てられ、
本殿の鮮やかな本朱と、鳥居や瑞垣の橙色を帯びた鉛丹の対比が見どころのひとつとなっていました。

「若宮の紅梅」 「八房藤」

紀貫之「人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔は 香に匂いけり」の紅梅を接ぎ木したと伝わる「若宮の紅梅」、
ナギの大木に絡まり、蔓が八つに分かれた樹齢500年以上の「八房(やつふさ)藤」など由緒木が点在、
若宮神社を華やかさに彩る花期の光景が目に浮かぶようでした。

御間道 本宮神社遥拝所

御子神を祀る若宮神社と大社本殿を結ぶ道が御間道(おあいみち)で、
古来、本堂前に一基だけ建てた灯籠を参道に並べるようになった風習はこの御間道から始まったと言われています。
毎月1日に神饌を供え、御蓋山頂上の本宮神社を遥拝する本宮神社遥拝所もありました。


  

戦国時代にルイス・フロイスによって書かれた「日本史」には、
「木製の火袋は漆で黒く塗られ、鍍金した真鍮の枠がはめられ、豪華な透かし細工や浮き彫りの飾りが付き、
その上には石の笠が載って、風雨でも灯明は消えないようになっている」と書かれているそうですが、
鎌倉時代後期より並び始めた御間型灯籠の木製の火袋は10年に1度の交換を必要とし、
500年の間に徳川頼宣の一基を除いて、漆や飾り金具が失われ、全て白木に変わったそうです。
そのような由来の白木の火袋が整然と並ぶ中、
小西美術工藝社が戦国時代の記述通りに復元し、奉納したという黒い1基が異彩を放っていました。


本殿南門から参拝所に入り、回廊への入場はせず、幣殿前でお参りしました。
南門前には太古の昔、神様が降臨した磐座(いわくら)、赤童子(若宮の荒魂)の出現、
宝亀3年(772)の雷火によって落下した社領を埋納した「領塚」とも伝わる
「出現石」と呼ばれる小さな石が鎮座していました。

本殿幣殿前 「砂ずりの藤

若宮式年造替奉祝・奉納コンサートのグランドピアノが運び込まれる「林檎の庭」(中門と幣殿間の中庭)を目に、
修学旅行生で賑わう幣殿・舞殿で参拝した後、
長く垂れる花房が砂をするようだと「砂ずりの藤」と名付けられた樹齢800年と伝わる藤棚を抜け、
春日大社の1時間余りの見学を終えました。


慶賀門


慶賀門から駐車場へ戻り、バスに乗った途端、歩いた方が早いと思われる渋滞に巻き込まれましたが、
奈良公園を抜け、大宮通りへ入るとスムースに走るようになり、5時過ぎにホテルへ戻ることができました。

奈良市総合観光案内所
やまと庵

馴染みのない奈良の街の食事処に迷い、JR奈良駅旧駅舎を利用した総合観光案内所に入って、
お勧めのお店を教えてもらい、初夕食に選んだのは「やまと庵」でした。
地元の人にも人気のお店のようで、平素なら諦める4~50分待ちを我慢して、順番待ちをしました。

    

  

「地場産品応援の店」「高知家の魚 応援の店」と看板のある居酒屋料理は、
ほっこりとする家庭的な味で、旅初日の疲れを癒してくれました。

 

7時半過ぎにホテルへ戻り、荷物を整理して、早寝を決め込みました。
6泊するダイワロイネットホテルは2020年春に開業したビジネスホテルで、設備や利便性は充分なものでした。

             *1日目歩数(スマホ計測):9232歩


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